
Neri&HuによるBuilding Number 31:上海のデザイン・コミューンの再生
Building Number 31は、ありふれた建築の価値を示すプロジェクトである。上海の静安区でNeri&Huは、かつて通信事務所と寄宿舎だった4階建ての建物を改修し、自らの事務所の新拠点と、共有のデザイン・コミュニティをつくった。実用的な構造体を建て替えるのではなく、コンクリートの架構を残し、その内部に新たな用途を見いだした。改修は2020年に完成した。

ファサードの異なる読み方
元のファサードには反復する窓が並び、明確な序列はほとんどなかった。Neri&Huはその上部を部分的にガラスブロックで埋め、残る下部を暗色の金属フレームでつないだ。それらは長い水平の帯として読み取れ、建物のプロポーションを視覚的に変えるとともに、オフィスに入る自然光を和らげている。

上階は濃いグレーで仕上げられ、建物に抑制の利いた、ほとんど工業的ともいえる性格を与える。対して、緑釉の陶器タイルが丸みを帯びた階段塔を包み、緩やかに波打つ基壇の壁へ続く。深い庇がふたつの素材を分けてアプローチを守り、控えめな入口を意図のある建築的な境界へと変えている。

以前の使われ方の痕跡を残す
建築家たちは、時間とともに生じた小さな不完全さも含め、既存のコンクリートの梁と柱を露出させたままにした。この判断は、新しいインテリアとその起源に直接的な関係を与える。古びたように加工した新しい仕上げで年月を模倣するのではなく、受け継いだ構造の本物の質感と寸法に依拠している。

床スラブに選択的に切り込みを入れ、吹き抜け空間と3階・4階をつなぐ新しい階段を設けた。スチールとリブガラスの間仕切りが柱のグリッド内に入り、白いボリュームが補助機能を収める。その対比によって、新旧は同じ建物を構成する相互依存の部分として読み取れる。

創造的な仕事のための共同プログラム
Building Number 31は、Neri&Huが以前から考えてきたデザイン・コミューンの発想を広げるものだ。自らの事務所に加え、全体のプログラムにはDesign Republic、The Artling、Luneurs、そしてStellar WorksやMuutoなどの家具・デザインブランドが集まる。そのため改修建物は単なる私有のオフィスではなく、異なるデザイン分野の出会いを支える場として意図されている。

南側の階段は、コワーキングスペース、オープンキッチン、約90平方メートルの多目的イベントルーム、屋上庭園など、共同の目的地を連続的につなぐ。これらの用途は、本来なら動線や補助機能だけに割り当てられがちな場所へ、社交的な活動をもたらしている。

建築、インテリア、家具をひとつのシステムとして
新しいオフィスは、複数のスケールで設計されている。棚はガラスの間仕切りの金属方立から伸び、受付カウンターは露出した構造柱を取り囲む。こうした接合部は、建築全体から家具やサインに至るまで、統合された建築環境をつくろうとする事務所の志向を示している。

古いコンクリート、暗色のスチール、リブガラス、明るい間仕切りの対比は、秩序ある視覚的リズムを生む。家具や内壁は受け継いだ構造を覆わず、それと対話する。この意味でオフィス自体が、既存建築の転用に対する同事務所の姿勢を実際に使いながら示す事例となる。

見慣れた建物の第二の人生
この計画は、老朽化した実用建築は取り壊すべきだという考え方に代わる選択肢を示す。選択的な切り込み、新しい素材の層、用途の変更により、日常的な通信施設が広く知られるデザインの目的地へと変わった。その建築は以前の用途の痕跡を保ちながら、新たな活動のかたちを受け入れている。

プロジェクト情報と写真クレジット
プロジェクト:The Black Box Redux | Building Number 31。所在地:中国・上海市静安区膠州路322号31号棟。設計:Lyndon NeriとRossana Huが率いるNeri&Hu Design and Research Office。面積:2,400 m²。竣工:2020年。建築専門媒体では、プロジェクト写真の撮影者をChen Hao(Hao Chen)とTian Fangfangとしている。ARCHINAとMETALOCUSは、プロジェクト写真家としてChen Hao(Hao Chen)とTian Fangfangを明記している。選定した写真はNeri&Huの公式プロジェクトポートフォリオによる。

























































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